ビジネスモデルを考える上で、ストックビジネス化ということはとても重要な要素です。
なぜならば、優れたビジネスモデルの多くはストックビジネス化を狙ったものであるからです。
ストックビジネスの概念については大竹啓裕さんが著書「ストックビジネスの教科書」とストックビジネスの教科書 プロフェッショナル ポプラ社にまとめられています。
今回はその本の中から重要と思われる部分を抜粋して紹介します。
まずストックビジネスの定義は以下の2つです。
1 継続的にお金が入る
2 売ることができる
1 継続的にお金が入ってくるとは?
不動産業でも
不動産賃貸業は、継続的にお金が入ってくる ストックビジネス的
不動産販売業は、継続的にお金が入ってこない フロービジネス的
2 売ることができるとは?
飲食店でも、
フランチャイズの飲食店は、売ることができる
オーナーシェフのフランス料理店は、売ることができない
オーナーシェフが抜けるとそのお店の経営は成り立たなくなります。つまり属人性が高いと売ることが難しくなります。
マイケルEガーバーも、「事業の究極の目的は売却することにある」と言っています。そのこころは、システム化により属人性をなくすことです。
実際に売る売らないは別にして、いつでも売れるような事業にしろということをガーバーは言っているのだと思います。
つぎに、ストックビジネス化できる分野は、以下の4つに分類されます。
1 貸す ストックビジネス度◎
不動産賃貸、レンタル、リース、ASP、スポーツクラブ、フランチャイズ、定期メンテナンス、教室等
2 認める ストックビジネス度○
フランチャイズ型、協会認定型、会員制型、特別待遇、友の会
3 消費 劣化 ストックビジネス度○
定期購入型 消耗品購入型 回数限定継続型 定期メンテナンス
4 改善する ストックビジネス度△
教室型 予約サービス型 非コンタクトサービス型 スポーツクラブ型
ストックビジネスの逆はフローのビジネスです。いわば狩猟民族的ビジネスで短期間に大きな売上を狙ってつくることができます。
農耕民族的なストックビジネスと組み合わせると、強いビジネスになります。
前回紹介した売上の公式
売上=見込客×成約率×単価×購入頻度
に当てはめると
フロービジネスは単価、ストックビジネスは購入頻度に注目したビジネスモデルと考えることができます。
税理士事務所の場合だと、顧問料収入はストックビジネス的で、相続税の申告はフロービジネス的だといえます。
次回からは、前回紹介した売上アップの公式と、ストックビジネスの考え方をベースにして、ビジネスモデルの解説を進めていきたいと思います。
WORK:
あなたのビジネスの中にストックビジネス的なものはあるだろうか?